アートとケア、アートと医療、それぞれの接点を探る取り組みとして、2008年札幌にて「びょういんあーとぷろじぇくと」をはじめました。医療・福祉の現場での活動であることから、これまで一般の方には、なかなか見ていただく機会がありませんでした。この度、多くの皆様が行き交う公共空間での実施となります。この展示を通して、アートの可能性や見えない力の存在を共有いただければ幸いです。
真っ白な紙にただ1行、そう書かれたオノヨーコさんの2001年のインスタレーション。超高層ビルにジャンボ機が突っ込み、アメリカ中が「報復」を叫んでいたさなか、タイムズ・スクエアーに「War is Over! if you want it」という大きな看板を掲げることは、アメリカすべてを敵に回し、殺されるかもという覚悟のうえでの行為でした。その時つくられたのがこの作品です。
いのちをおびやかすのは病気だけではありません。ありのままに生きようとするとき、みんなが平穏に生きるのを願うとき、感じたままを、じぶんのコトバで伝えようとするとき、それを奪おうとする力が世界にはあふれています。でも、どんなときも、たとえぜつぼうするときでも、一瞬、いっしゅん、じぶんの息をひきついでいくこと、それが自身にも、相手にも、生きのびる力を与えるのです。
ホスピタルアートという言葉が北海道でも聞かれるようになる前から、そのような試みを続け、病院にいる人たちを励ましてきたひとたちの15年間の歩み、夢を、この展示で感じてください。
「行動する市民科学者の会」事務局長
小野 有五 氏
安藤 文絵
上嶋 秀俊
小川 豊
小林 麻美
佐藤 綾香
佐藤 隆之
瀬川 葉子
野村 裕之
日野間 尋子
藤山 由香
八子 直子
山田 恭代美
座長:志田 勇人 (医療法人北志会札幌ライラック病院)
演者:日野間 尋子 (美術家/びょういんあーとぷろじぇくと)
演者:森 合音 (四国こどもとおとなの医療センター/NPO法人アーツプロジェクト)
札幌文化芸術交流センターSCARTS
2023年3月24日(金)25日(土)26日(日)