こころ展に寄せて

生きる、死ぬ、病む、老いる、生まれる、弱る、治る…。
生きている以上避けて通れない生命の営みを、私たちは普段あまり意識しません。
しかし、病院では別です。ここを訪れる一人ひとりは、自身の身体や健康について向き合い、考えます。
例えば病気と闘いながら生きていく未来について、支えてくれている家族や友人について、残りの人生について――。
命を見据え、より健やかに生きようとする人々と、支える人々。その両者が集まる場所が病院ではないでしょうか。
そこにアートがある意味とは何でしょう?
アートの源にあるのは、美しいものや未知のもの、言葉にできないものを求める「心」ではないかと思います。
そんな作り手のエネルギーが、アートを通して病院を訪れる人々の心にそっと触れます。
励まされる人、癒される人、心が躍る人、誰かを思い出す人…。
そこには、さまざまな心の動きがあることでしょう。
その動きは、健やかに生きたいという普遍的な願いをより奥行きのあるものにしてくれると考えています。

約3年というロングスパンで、17人の作家たちが病院空間に作品を設置する「びょういんあーとぷろじぇくと」。「こころ」というテーマの通り、美しい心の交流が生まれることを願っています。

タウン情報誌「O.tone」編集部
山内 絵里 氏

ご案内

「びょういんあーとぷろじぇくと」は、病院にアートがあることで、病院に関わる多くのかたに安らぎや心のゆとりを持って過ごしていただきたいと願い行ってきました。この度、当プロジェクトでは、2019年夏から2021年冬までの約3年をかけて、医療の場を、こころの通った、温もりの感じられる人間らしい空間に近づけようと、美術家による5回の展覧会とイベントを継続して開催することとなりました。アートの‘こころに働きかける力’を皆さまと共有できれば幸いです。

びょういんあーとぷろじぇくと


facebookページ

企画・スタッフ・アーティスト

會田 千夏 Aita Chinatsu
子供の頃は小児喘息を持っていて、幼稚園や小学校は休みがち。部屋でいつも絵を描いていました。外遊びも一人で家の周りの草むらにしゃがみこんで虫を見たり、草花を摘んで一人ままごとをしたり。不思議な話が大好きで、ある日本伝承の妖精の好物が「新鮮な朝露」だという話を聞いて、なんて素敵なんだろう!!と、朝露の味を想像したりしていました。大人になっても変わらず部屋で絵を描いている今、不思議と子供の頃に興味を持った生き物や不思議な存在に心を掴まれたままです。
作品を描きながら思うことは、生命や自然は、確かに自分の内側にあると感じることです。私にとって魅力的な生き物や妖精たちの世界は、それら自体が生命の塊であり、すでに自分の中にあるからなのだと思うようになりました。外側ではなく、内側にある。作品を見てくださる方々にも、それぞれの内側にある何かを感じてもらうことができたら、とても嬉しく思います。
2011
札幌美術展 Living Art ―日常― やさしさはそばに(札幌芸術の森美術館/札幌)
2013
會田千夏個展 "portrait"(不忍画廊/東京)
會田千夏個展 "from the forest"(ギャラリーRetala/札幌)
2014
Sprouting Garden-萌ゆる森-(札幌芸術の森、佐藤忠良記念子どもアトリエ)
2015
"from the forest"…continuation(アートホール東洲館/深川)
ハルカヤマ藝術要塞2015(春香山/小樽)

石垣 伯江 Ishigaki Norie
看護師として病院勤務。
助産師として、「いのちのお話」を幼稚園や家庭文庫で開催。
聖母女子短大専攻科助産学専攻修了。
京都造形芸術大学通信教育学部芸術教養学科在学中。
1967
姫路市生まれの室蘭市育ち、札幌市在住
2016
中島敏文絵画教室 『パステル画・水彩画展』
びょういんあーとぷろじぇくと『光と風と水をまとって』(天使病院・天使ギャラリー/札幌)

石垣 わかな Ishigaki Wakana
2004
稚内市生まれ、札幌市在住
2016
中島敏文絵画教室 『パステル画・水彩画展』
びょういんあーとぷろじぇくと『光と風と水をまとって』(天使病院・天使ギャラリー/札幌)

伊藤 幸子 Ito Sachiko
形あるものすべてにいのちがあり、時を重ね経てやがて還っていきます。それぞれにしかない時間を過ごし、これまで見てきたもの、感じてきたものから私のつくる形を通して一人一人の物語を創って観てほしいと思います。
2010
JRタワー・アートプラネッツ2010(札幌プラニスホール)
2011
具象彫刻30人展ー北の作家たちー(本郷新記念札幌彫刻美術館)
2014
Sprouting Garden「萌ゆる森」(札幌芸術の森)
セブン ストーリーズ(本郷新記念札幌彫刻美術館)
2015
ハルカヤマ藝術要塞(2013年より参加 小樽市春香山)
2016
個展(ギャラリーミヤシタ/札幌)
他、個展、グループ展多数、北海道美術協会(道展)彫刻会員、北海道教育大学札幌校美術科彫塑専攻卒業

上嶋 秀俊 Ueshima Hidetoshi
私たちの毎日は、誰もが人間が作ったものに囲まれ生活している。それらは、便利であったり、少しばかり私たちが楽に生活できるものなのかもしれない。だが、それと同時に見えなくなってしまっているものも多いのだと思っている。一日の太陽の動きとともにも多くの命が呼吸をし、少しばかり変化している。そうした自然のサイクルと私たちの生活のサイクルがともにいられることを願っている。HP:HIDETOSHI UESHIMA
1966
北海道小樽市生まれ
1991
東京造形大学 デザイン学科 卒業
2014
Our Place~歩く・感じる・考える、私たちの生きる場所(本郷新記念札幌彫刻美術館)
びょういんあ~とぷろじぇくと企画「silent breath」上嶋秀俊 展(札幌ライラック病院)
上嶋秀俊 bloom(六花亭 福住店)
2015
第18回セルヴェイラ国際アートビエンナーレ(ポルトガル)
ハルカヤマ藝術要塞2015(2011年より参加)
2016
つながろう2016 Hard/Soft / チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)
New Point vol.13(大同ギャラリー 2010年より参加)

小川 豊 Ogawa Yutaka

1979年、北海道小樽市生まれ。小樽美術協会 会員、小樽市展 委員、北海道美術協会 会友。生きるとは何か、この世とは何か、何故この世に生まれたのか、様々な試練を与えられ、喜怒哀楽を経験し、ダブローを通して心のひだを探っています。アートには、心を癒したり、勇気を与えたり、様々な感情を与える事ができる大きな力があると信じています。
2019
第46回北海道抽象派作家協会展(札幌市民ギャラリー)
第10回さっぽろ雪像彫刻展(本郷新記念札幌彫刻美術館)
New Point vol.16(さいとうギャラリー/札幌)
2018
JRタワーアートプラネッツ・グランプリ2018展(プラニスホール/札幌)
二紀展入選(国立新美術館)
2017
びょういんあーとぷろじぇくとの仲間たち 展(黒い森美術館/北広島)
第2回文団教 雪あかりジョイント事業『ともしびのむこうに』(市立小樽美術館)
2016
FABULOUS WALL Yutaka OGAWA(札幌)
びょういんあーとぷろじぇくと『光と風と水をまとって』(市立札幌病院・他)
ART FAIR SAPPRO 2016(クロスホテル/札幌)
2014
小川豊・佐藤隆之 二人展『心』(茶廊法邑/札幌)
二紀展 入選
2012
道展新会友推挙
2006
小樽文化奨励賞受賞

小山 恵稔 Koyama Megumi

1967年、北海道札幌市生まれ。1988年、北海道デザイナー専門学院卒業。「びょういんあーとぷろじぇくと」で活動をはじめ多くの方との出会いがあり、アートを通して院内に人の輪が広がる事を感じています。いろいろな方の“こころ”に私達の思いが届くと嬉しいです。
2018
道展入選
2017
道展入選
びょういんあーとぷろじぇくとの仲間たち 展(黒い森美術館/北広島)
2016
びょういんあーとぷろじぇくと『光と風と水をまとって』(市立札幌病院・他)
『虫』展(さいとうギャラリー/札幌)
2015
創作グループむすびめ展3(さいとうギャラリー/札幌)
『暑中見舞い』展(さいとうギャラリー/札幌)
2013
個展(カフェえれめんと/札幌)
創作グループむすびめ展2(さいとうギャラリー/札幌)
2011
創作グループむすびめ展1(さいとうギャラリー/札幌)

佐藤 綾香 Sato Ayaka
1988年、札幌市生まれ。2014年、多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程を修了。祖父が病気で寝たきりになった時、母は私が描いた風景画を祖父に見せてくれました。絵を見た祖父の表情がふと和らいだこと、病院の外に出られない祖父の為に私の風景画を選んで見せてくれた、私から母への感謝。今でも大切な思い出です。アートには力がある。そう信じています。誰かの心に寄り添える作品を描いていきたいです。
2016
佐藤綾香展 やわらかな場所で
2011
財団法人道銀文化財団企画展 はじめての個展~vol.1 佐藤綾香展

佐藤 隆之 Sato Takayuki

1971年、北海道音威子府村生まれ。北海道美術工芸協会 会友。普通の生活の中や、街の方々が身近にアート作品に出会う世の中を私はアートのあるべき姿だと信じています。病院というパブリックな場所にアートが存在すること、それは、とても素敵な出来事だと思います。花は野に咲くように。アートも人の心に咲く花でありたい。
2019
第10回さっぽろ雪像彫刻展(本郷新記念札幌彫刻美術館)
2018
北海道美術工芸協会 協会賞受賞 会友推挙
New Point vol.16(さいとうギャラリー/札幌)
2017
札幌国際芸術祭環境広場さっぽろ2017
ワークショップ開催(札幌市)
砂澤ビッキ記念館BIKKYアトリエ3モア
企画展(音威子府村)
きのとや大丸店企画展(札幌市)
びょういんあーとぷろじぇくとの仲間たち 展(黒い森美術館/北広島)

柴田 紀惠 Shibata Norie
1966年埼玉県生まれ札幌育ち。美術館スタッフ、イベント会社勤務を経て現在札幌市西区琴似でギャラリー付きカフェAMICA(アミカ)を経営。コンサートやアート系イベントの企画も多く手がけている。HP:フリースペース&カフェアミカ

瀬川 葉子 Segawa Yoko
1955年生まれ、札幌市出身。アクリル絵の具による抽象画の制作を経て、約20年の休止後、身近な紙へのドローイングを始める。 紙皿に解いた絵の具を入れ、多数並べて花畑に見立てた野外作品。 ティッシュペーパーの箱に彩色したり、ボール紙に穴を開けたり、ちぎったりした上に描き、重ね合わせて、紙から森を思い起こされるような作品など。 身近に在るものを使い、家の中、庭などに見えるさりげない一瞬とらえるような制作を続けている。

高橋 佳乃子 Takahashi Kanoko
女満別町生まれ 岩見沢市在住 道展会員
2015
ギャラリーミヤシタ(札幌)
2014
瀬川葉子・高橋佳乃子 作品展(ギャラリーレタラ/札幌)
2013
ギャラリーミヤシタ(札幌)
2007
奥野侯子・後藤和司・高橋博昭・高橋佳乃子 4人展(大同ギャラリー/札幌)1999から5回開催
2003
ギャラリーどらーる(札幌)
1994
北の創造者たち94(札幌芸術の森美術館/札幌)
アバンギャルドの潮流展(北海道立近代美術館/札幌)
1992
時計台ギャラリー(札幌)
ソウル札幌展(ソウル市立美術館/ソウル)
1986
イメージ群れ北海道86展(北海道立近代美術館/札幌)
1982
玉井吉雄・玉井佳乃子 油絵展(大同ギャラリー/札幌)

鄭 英姫 Chung Younghee
私たちは本能的に、何かを美しくしたい、目の前の空間をいろいろな形で埋めてみたい、という衝動に駆られます。そして古くから、その衝動は、幸せを願う心と通じていました。馴染みの薄い韓紙工芸ですが、紙で作る生活用品である韓紙工芸は、昔から溢れんばかりの紋様で飾られました。紋様は、「幸せでありたい」、「健康でありたい」、「天寿をまっとうしたい」といった、様々な祈願を表すものです。生活の中に美があり祈願がある、三位一体の世界です。蝶の紋様は、韓国で幸せ、夫婦円満などの象徴として愛されてきました。私は韓紙工芸のもう一つの試みとして、喜々として飛ぶ蝶の世界を、ものの世界から切り離して思いっきり表現してみたいと思っています。自由自在に飛ぶ蝶の姿、そして、その幸せな瞬間を、感じていただければ幸いです。韓国生まれ。札幌市在住。韓紙工芸家。韓紙とハナの会主宰。
2007
国際韓紙デザイン公募展 特別賞 受賞
2008
織田有 企画(東京)
ギャラリーkyo 企画(仙台)
2011
織田有 個展(東京)
2013,15
グループむすびめ展(さいとうギャラリー / 札幌)
2015
暑中見舞 展(さいとうギャラリー / 札幌)
2016
虫 展(さいとうギャラリー / 札幌)
札幌切り絵の会などで体験教室などイベントに多数参加 韓紙工芸師範 道新文化センター講師 韓国チャム紙文化協会会員

日野間 尋子 Hinoma Hiroko (びょういんあーとぷろじぇくと代表)
1962年、北海道旭川市生まれ。1986年より個展、グループ展(札幌、東京)など多数。2000から2006年まで、ドイツ、オーストリアのギャラリーと契約、アートプロジェクトに参加。芸術療法士(音楽/美術)との共同制作を通して、臨床での“アートとケア” “アートと医療”それぞれの接点を求めるようになる。2008年、友人らと‘びょういんあーとぷろじぇくと’を立上げる。現在、札幌市内の病院(精神科)と富良野市の障がい者支援施設北の峯学園で創作支援を担当。日本美術家連盟会員。日本臨床美術協会(臨床美術士)。日本園芸療法普及協会(園芸療法士)。HP:GALLERY HIROKO

藤山 由香 Fujiyama Yuka
忘れていたことを、ふと思い出すように。こころにいつも美しい景色がありますように。
1974
北海道札幌市生まれ
1999
武蔵野美術大学短期大学部 通信教育部美術科油彩コース卒業
2003〜
ギャラリーミヤシタ(札幌)にて毎年個展を開催ほかグループ展等に参加
2014
New Point Vol.11(大同ギャラリー / 札幌)
COFFEE STAND 28
個展「手を振らずに」(ギャラリーミヤシタ / 札幌)
2015
個展「続いている」(ギャラリーミヤシタ / 札幌)
2016
New Point Vol.13(大同ギャラリー / 札幌)
個展「流れるもの」(ギャラリーミヤシタ / 札幌)

山田 恭代美 Yamada Kiyomi
1971年、北海道札幌市生まれ。1992年、札幌大谷短期大学美術科卒業。1992年より個展、グループ展など多数。シルクスクリーン版画技法を取り入れた絵画作品を制作。アクリル絵具によるペインティングと和紙のコラージュを併用し、刷りによる無機質な平坦さに深みのある空間を融合させている。四季折々の風景をモチーフに自然の持つ生命感や包容力を喚起させる作品づくりに取り組んでいる。

新保(吉田)恭子 Shimbo(Yoshida)Kyoko
北海道教育大学札幌分校。特別教科教員養成課程美術工芸卒業(金属工芸)
2014
北海道金工作家協会展出品
2012
EARTH coffeeにて新保恭子 METAL WORK展(個展)
北海道金工作家協会小品展出品
2003
伊藤幸子・新保恭子二人展(さいとうギャラリー/札幌)
1996~
北海道金工作家協会展出品(1996~2008)
1990
北海道立近代美術館 子供と親の美術館 1990アートクッキング出品
新保恭子個展(札幌丸井今井クレオギャラリー)
1989
福井美都子・新保恭子二人展(ギャラリーLABORATORY/札幌)
第6回東急ハンズ大賞展 ハンズマインド賞 受賞

撮影・映像・デザイン

山岸 靖司 Yamagishi Seiji
札幌市在住

中丸 大輔 Nakamaru Daisuke
小樽市出身 札幌市在住
2016
They展(市立小樽美術館/小樽)
2011
anagram【佐藤文音×長橋佑司×中丸大輔】(東中野レンタルスペース/東中野)

井上 始子 Inoue Motoko
1966年、札幌生まれ。グラフィックデザイナー。
2013年より「びょういんあーとぷろじぇくと」のウェブやチラシのデザイン協力している。
HP:Inoue Design Lab

会計

上嶋 ミカ Ueshima Mika
小樽市在住