〜 KUNSTMESSE SALZBURG 2006 〜 10.-12. November'06 『2006年11月10日(金)〜12日(日)』 mode & eventcenter bergheim
欧州で盛んなアートフェア。オーストリア国内でもザルツブルクの他、グラーツ、インスブルックなど各都市で毎年開催されおり、年々 工夫が施され、その特色はそれぞれ街のイベントとしても定着してきている様子。 2000年から2002年まで、私は、オーストリア人アートマネージャーのプロデュースによりこのフェアに出品してきたが、今回はドイツ、 ギャラリーベーナーのメンバーとして、ドイツ人、スイス人アーティストと共に参加することになった。
◇Vernissage(オープニング) 9日、雨、19:30〜private view、関係者によるセレモニーが行われ、‘KUNSTMESSE SALZBURG 2006’開幕。 今年のイメージカラーは、黄と青。
昨年は、3日間の期間中‘7,000人もの方が来場された’とのこと。 どうやって集計したのかは謎(ヨーロッパではこういうことありがち)。なので、数字はあまり当てにならない。 ◇Stand-Nr.:Halle A/1.OG/203(展示ブース) パーテーションほかレイアウトはアートディレクターに一任。作品、キャプションの取り付けは自分で行った。

◇カタログより 【日野間 尋子 (日本)】 1962年、日本の北海道旭川市に生まれ、札幌で造形作家として制作を続け、数々の展覧会やメッセへの参加を国内外で行っている。 日野間尋子は、最終的には抽象的アクリル絵画に集中している。この芸術家は、作品の中で再三再四にわたり日本の伝統芸術を引き 合いに出している。最初は、繊細なアクリルの色彩を麻布にもたらすため、さまざまな筆を使っていたが、現在は、主に色彩スプレ ーを画面上(麻布)に使用するに至っている。 ある絵画ができる起点を形成するのは一本の線であり、それに狙いをさだめ、的確に置く。その後、線から線へと続いていき、それ らの線は、表面を最終的にそれだけで満たしてしまう。したがって、線は、ある程度まで一つ一つの絵画の基盤(Grund=ground)、 核心(Herz=heart)を形成する。線、平面、空間によって、彼女の制作は三和音の完結へもたらされる。 光と空間と深さの結びつきは、最終的にある雰囲気を生み出し、その作用は、観覧者が見落としようのないものであり、この芸術家 が絵画で何を表現へもたらそうとしているのか予感するのである。 日野間尋子にとって、芸術はいわば何か「宗教的なもの」であり、すべての絵画は彼女にとって一種の祈りに似たもの、空気と光に ついての個人的表現なのである。(ギャラリーベーナー/Nov.2006)

◇アクシデント 運送トラブルの為、仲間ひとりの作品が届かない。ふて腐れた(?)ご当人も何処かへ消えてしまって、‘空っぽ’。 で、急遽、チームの他のみんなと彼のブースでインスタレーション。 タイトル、『工事現場;立ち入り禁止』。 この光景、プレスの方達の間では評判だったらしい。。。
◇ワークショップ 会場で行われた様々なワークショップとコンサート。子供の為のプログラムも勿論あったが、殆どは年齢に関係なく参加可能。 意外と大人、男性の参加者が多いことに驚かされる。


12日、18:00をもって、閉幕〜 来場して下さった方と作品と作家・・・が一緒になって過ごした3日間。 短いようでもあったが、、、充実した週末。 明日から、みんな、また、各々の作業場に戻って行く。
アートフェアについて、 ・からっと明るい。 ・展覧会というよりは蚤の市ふう(お祭のテキヤみたいという人もいる)。  しかし、作品の質と品格は(ザルツブルクの場合)きちんと保たれている。選考委員会がしっかりしているからだと思う。 ・たくさんの同業者と出会うことにより、いろいろな意味で安心できたり刺激を受けたりできる。特に普段フリーランスで個  展中心に活動している者にとっては気分転換にもなる(参加者は圧倒的にフリーランスが多い)。 ・意外に、売れることがある。 私が、2002年、ドイツ、マンハイムでのITビルをかりきった展覧会プロジェクトに参加できたのは、2001年、ここに出品した際、来場 していたドイツ人のアートディレクターからお誘いいただいたのがきっかけだった。 多くの芸術関係者が出入りしているこういったイベントでは、いろんな出会いを通して、時にはそんなオマケも付いていた。

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